喫煙の”濡れ衣”

2021/06/01 (火)

かつて.私もタバコを吸っていました.
当時はそれが普通のことで,医局でも食堂でも,手術中の休憩でもタバコを吸っている医者がたくさんいました.
ところが世は移り,今や”魔女狩り”のように喫煙が悪者として追い立てられています.
私はなんとか禁煙組に転入することができましたが,まだ喫煙組に残っている皆さんにはとても窮屈な世の中だと思います.

もちろん,信念を持って吸い続けている方は,ご自身のお体ですし,いちゃもんをつけるつもりはありません.
ただ,少し小言をお伝えすると,喫煙が及ぼす体以外への悪影響が例えば二つあります.
ひとつは”臭い”です.吸わない立場になると,喫煙者が残していくタバコの臭いが妙に鼻につきますので,知らないところで不快感を生じさせているかもしれません.
もう一つは病気になった時の”濡れ衣”です.
病院に行った時「悪くなったのはタバコを吸っていたせいだ」と何でも喫煙のせいにされて,濡れ衣を着せられることになりかねません.
実際,喫煙は脳卒中や心筋梗塞の大きな原因なので,治療している側にとっては,タバコを吸っていると”火に油を注がれている”ように見えてしまうのも仕方ないところです.

もちろん,そんなこともわかっていて,禁煙組に寝返りたいと思っている人も少なくないと思います.
経験上わかりますが,喫煙は一種の中毒ですので,そう簡単には足抜けできません.
もしお手伝いが必要であれば,ニコチンパッチと経験談でサポート致しますので,診察の時にでも気兼ねなくご相談下さい.
病気の時に”濡れ衣”を着ないですむよう私も応援します!