怒らず叱る

2022/09/10 (土)

「院長は怒りませんね」と言われます.
確かに,最後に声を荒げて怒ったのは,今は都内の病院で薬剤師としてしっかり働いている息子が.中学の時に塾を無断でサボった時くらいかもしれません.
その頃からあまり怒らなくなったのには,ある理由があります.
それは,「人は思うほど,こちらが思うようには思っていない」と思えるようになったからです.

自分と同じように相手にも思って欲しい…
そういう気持ちが強すぎると,そうじゃないときに怒りの炎が燃え上がります.
相手には相手の事情がありますから,同じ思いになれなくても当然です.
当時の息子だって,彼ならではの事情や気持ちがあって塾に行かなかったのでしょう.

ただ,怒らなくても叱ることはあります.
相手の状況や性格に同情できたとしても,まわりのルールやエチケットにあまりに反するようであれば,助言するように叱ります.
病気が治りやすいように安静が望まれるのに,無理をしているような方には注意するように叱ります.
その時の目的は,自分の感情をぶつけることではなく,相手に対してちょっときついアドバイスをすることなので,必要なのは大きな声や怖い顔ではなく、真剣な眼差しです
感情で怒るのではなく,道理で叱るように心がけています.

ちなみに,女性は時々,男性を怒っていいと思ってます.
鈍感な男たちは,デリケートな女心に気付けていないことがありますから,そんな時は怒って冷や水を浴びせて下さい.
それが許されるように「怒」には左上に「女」と示されているわけですから(笑).