教わるのが早道

2024/05/01 (水)

毎年4月1日になると,朝に集まった新人達へ挨拶する時間をもらえます.
学校での勉強や試験を終えて,いよいよ医療の世界でがんばろうと輝いているまなざしを見ると,心から応援してあげたくなります.
その時伝えている言葉の1つに「耳学問の勧め」があります.
教室と違って,まわりには経験豊富な先輩達がたくさんいます.
もちろん,本を読んだりネットで検索して「眼」で「知識」を得ることは大事です.
でも,それを生かす「知恵」は現場で「耳」から学べます.
わからないことも,悩ましいことも,自分だけで試行錯誤するだけじゃなく,きっと同じ苦労をしてきた「生きた教科書」に聞いた方が早道です,と話しています.

去年の暮れですが,三澤副院長から腹筋トレーニングの本を紹介してもらえました.
薄くて読みやすかったので私も始めてみたのですが,まだ表紙のような結果は得られていません(笑).
でも,教わることで自分なりにやっていたときより効率的な訓練ができることを今更ながら痛感しました.
そこで今年の春から,ジムでパーソナルトレーナーについて筋トレも始めてみました.
これがまたとってもキツくて,グラウンドに倒れ込んでいた部活の苦しさを40年振り思い出せていますが,プロに教えてもらうことで限界ぎりぎりの効果的な訓練を短時間で実施できているように思います.

仕事においても,運動においても,我流はそれなりのやりやすさがあると思います.
一方,教えてもらうのは遠慮があったり億劫だったりすることもありますが,効率的に目的に到達できます.
還暦を過ぎた今だからこそ,教わることで早道を進ませてもらい,そして後輩達にも「教わるのが早道」と思ってもらえるように,診療のポイントや手術のコツをわかりやすく伝える工夫をして,「耳学問」の効果を高めてあげたいと勝手に考えています.