2025/04/26 (土)
当院でも,ミャンマーからの技能実習生がナースエイド(看護助手)としてテキパキ仕事をしてくれています.
日本語の上達にも熱心で本当に感心しますが,私達が外国語を覚えるより相当大変なんじゃないかと想像します.
例えば,「食べて」ひとつでもいろんな言い回しがあります.
食べてね,食べてよ,食べましょう,お食べください…
使い分けは面倒でしょうが,うまく選ぶことで微妙な感情が伝えられます.
アメリカでウェイトレスが「エンジョイ!」とだけ言って料理を置いていくのとは大違いです(笑).
ちょっと語尾を工夫すれば,優しさや思いやりも伝えられる…
そんな便利な言語だからこそ,医療の現場でもうまく活用できればコミュニケーションの効率が高まります.
もともと医療は,病気を「治している」のではなく「治るのを手伝っている」のだと思っています.
原因を調べ.症状を和らげ.病巣を減らそうとしますが,体を治しているのは本人の治癒力です.
その内なるパワーを高めてもらうには,指示するような伝え方より,助言を生かしてもらえるように勧めた方が効果的だと感じています.
日本語ならではの敬語システムを使ってしっかりと配慮を示し,おだやかな言葉づかいで回復への見通しをアドバイスする.
そんな風に受けとめやすい話し方ができれば,きっと治る気持ちも引き出しやすいんじゃないかと期待しています.