第9条:ノイズを減らす

2025/05/27 (火)

男女の特性の違いについては,何度かこのノートにも書いてきました.
医療コミュ術でも注目したいのは「聴覚の違い」です.
20万年も狩猟を役割としてきた男性は,視覚が獲物を探すためにすぐれています.
一方聴覚は,留守を守り子供を育てるため会話を大事にしてきた女性達より感度が低いかもしれません.
例えば電話をするとき,女性は周りがうるさくても平気で話ができますが,男性は静かじゃないとうまく声を聞き取れません.
「電話するからテレビを消してくれ」なんて言うと,きっと女性は「なんで?」っ思ってるでしょう(笑).
男性の方が耳が遠くなりやすいのも,もともと感度が低いので,女性より老化の影響が出やすいからです.

そんなわけで,特に男性相手のコミュニケーションにおいては,まわりに聴覚を妨げるノイズがないか気をつけてあげてください.
女性にとってはこれくらいって思うことでも,男性にとっては騒がしく感じてしまうことがあります.
周囲の会話はもちろんですし,動くものや目に付くものもダメです.何しろ視覚が敏感ですから.
大事な情報や深刻な相談は,静かで落ち着いた個室で話してあげることで,説明の効果が上げられると思います.

ちなみに私は,診察の時にドアをしっかり閉めて.声に集中できる環境にしています.
それは相手に対する配慮でもありますが,私自身が男性の弱点を痛感しているからです(笑).