2025/08/31 (日)
「うちの人,先生から言われたことは聞くんです」
外来で付き添いのご家族から,こう言われることがあります.
だったらしっかり話さなきゃ,ってプレッシャーもかかりますが,同じ事でも言うのが家族だと耳を貸さなくなるんだろうなぁ,って想像してます.
助言はもちろん「思いやり」なんですが,伝え方によっては「説教」に聞こえてしまいます.
特に,家族からの「助言」は言葉に遠慮が足りません.
何とかしてあげたい,という愛情が,むしろ言い方を強めます.
言われる回数も多くなりがちで,反発心が沸き上がるのも仕方ないかもしれません.
一方,同じような「助言」でも,話し手が違えば聞く気持ちが高まります.
まず一つは,ベテランであること.
その道のプロなんだから言ってることもきっと正しい,そうやって信じる気持ちが助言を生かしやすくなります.
二つ目は,お金を払っていること.
ネットの無料動画でもいろんなことを教えてもらえますが,身銭を切った時の方が知識の吸収に熱心になれる気がします.
実際私も,筋トレやピアノをコーチや先生から,さらに月謝を払って教わった方が,我流であがいていた時よりよっぽど早道で目的にたどりつけたように思います.
「よく水を飲んで!」
同じ一言でも,家族から言われるのと,ベテランの医師に診察費を払って言われるのでは,聞こえ方が違います.
「しっかり水分を補給して,私を安心させてね♥︎」
プロでもなくお金ももらわない立場だからこそ,家族愛をうまく活用した伝え方で,助言を聞きやすくすることが大切だと思っています.