不自由な方が自由かも…

2025/09/29 (月)

30年ほど前のアメリカ留学では,たくさんの戸惑いに出くわしました.
最初の洗礼はピザ屋です.
マンションへの引越が終わり,お腹がすいたので隣のピザ屋にテイクアウトの注文に行きました.
カウンターに立つと,無愛想な店員が矢継ぎ早にいろんなチョイスを聞いてきます.
うまく答えられず黙っていたら,出て来たのはちっちゃくて何のトッピングもない生地だけのようなピザでした…
「自由の国アメリカ」ですから,店でも大事なのは客の「自由」です.
何も選べないなら何も選ばない自由を与える,ということかもしれません.
でも,こっちにとってはその方が「不自由」です.
もちろん,私の英語力が足りなかったせいですが…

選べる自由がないと,決めつけられた感じがして反発心が沸き上がることがあります.
でも,選んでもらえた方が楽になれて,開放感を味わえるときもあります.
治療においても,さまざまな制約が不自由を感じさせるかもしれませんが,自分だけで最善の方法を探すのは大変です.
アドバイスに従う「不自由」を受け入れることで,迷わずに済む「自由」が得られる.
そう考えると「不自由な方が自由かも」と思えて,気楽になれることもあると感じています.

ところで,ピザ屋の一件のあと,同じマンションの日本人が教えてくれました.
コストフリーのオプションを聞かれた時に使える最強の一言,それは…
「Everything!(全部!)」
いまでもMisiaのこの曲を聴くと,アメリカでのくやしい記憶がよみがえってきます(笑).