2025/10/31 (金)
『院長はわかってない!』
青森にいた頃,そんな風に腹を立てて,院長室まで乗り込んだことが何度もありました.
スタッフの配置とか,最新機器の導入とか,診療の質を高めるために絶対必要!という勢いでの直訴です.
それが聞き入れてもらえないと,「なんてひどい人なんだ」とすっかり院長を悪者扱いしてました.
ところが,いざ院長になって要望される立場になると,私も「ひどい人」になってしまうことが少なくありません.
もちろん,実行力の乏しさも原因なんですが,全体をうまく調整するためには,それぞれの意見を通してばかりはいられません.
結局,昔もどかしく思った院長の対応も「問題だったのは人ではなく立場」だったのかもしれないと思い直しています.
何か人が思う通りにしてくれないと,その人自身が悪いように感じてしまいがちです.
「もしかしたら,立場のせいで仕方なくそうしているのかもしれない」と理解するようにすれば,八つ当たりのような感覚を減らせるように感じています.
ちなみに,治療になると話は逆で,「問題は立場ではなく人」,つまり悪くなっているのは病気ではなく病人です.
状況によっては,表面的な問題だけじゃなく内面まで思いやりをもってとらえることで,肝腎なことを見失わないようにしたいと思っています.