脳神経血管内治療科

1980年代、創成期であった脳血管内治療は、現在では一般的な治療として認知され状況によっては第一選択の脳神経外科治療となっています。本治療の適応疾患は主に脳動脈瘤、頸動脈狭窄症、動静脈シャント疾患等ですが、最近では虚血性脳血管障害に対する急性期血管再建術(血栓回収)の有用性が話題です。
当院は2019年4月に『日本脳神経血管内治療学会の研修施設』の認定を得ました。また、同年9月1日付で日本脳卒中学会より『一次脳卒中センター(Primary Stroke Center:PSC)』の認定を受け、2020年1月より運用を開始しています。PSCは、地域医療機関や救急隊からの要請に対して24時間365日脳卒中患者を受け入れ、患者搬入後速やかに診療(rt-PA静注療法を含む)を開始することが求められます。当院では、血管内治療専門医、診療放射線技師、看護師の体制で超急性期の画像診断からrt-PA静注療法、血栓回収療法まで対応しています。
医療機器については、2019年3月に320列ADCT(Aquilion ONE)と最新の血管撮影装置(Alphenix Biplane)を導入しました。Aquilion ONEは、高速・高画質の撮影が可能で、ボリュームスキャンによる4D撮影では血管の形状だけでなく血流などが把握できます。Alphenix Biplaneは、高度で精緻な手技が要求される血管内治療に対応するために開発された最新の血管撮影装置であり、搭載されている高精細検出器(Hi-Def Detector)は、未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術の治療精度や安全性の向上に大きく寄与しています。
脳血管内疾患の診療では、より速く的確な診断が求められます。今後も、最新の医療機器と医療技術で地域医療に貢献できるよう日々努力を続ける所存です。

担当医師
経歴
杏林大学卒
専門
医学博士
日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医・指導医
日本脳神経超音波学会認定脳神経超音波検査士
経歴
愛媛大学卒
専門
日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医
日本脳卒中学会専門医
治療実績
術式・診断名 2020年 2021年 2022年
脳血管内手術
38
43
42
経皮的脳血栓回収術 30 22 33
経皮的頚動脈ステント留置術 17 15 30
経皮的脳血管形成術 3 1 7