脳神経外科
対象疾患と診療内容
脳神経外科では、以下のような脳・神経系の疾患を中心に診療しています。手術、脳血管内治療を中心とした外科診療を主体としています。
未破裂脳動脈瘤
破裂前の脳動脈瘤のことを「未破裂脳動脈瘤」といいます。「瘤」とは血管壁がもろくなり、そこに血液が入り膨らんでコブのような形状になることを指します。
この動脈瘤が破裂してしまうと、脳と血管を包んでいる「くも膜」の内側に出血を起こします。これが「くも膜下出血」です。くも膜下出血は脳卒中の中でも最も予後が悪いといわれており、約半数以上の方に生命の危険が及びます。約1/3の方は死亡、約1/3の方は重い後遺症を生じ、社会復帰できる方は3人に1人程度と医療が進歩した現在でも大変恐ろしい病気です。
未破裂脳動脈瘤は全人口の3~5%の人に存在するといわれており、つまり、20~30人に1人に脳動脈瘤が出来ているのです。
日本脳神経外科学会が2001年から実施した、日本における未破裂脳動脈瘤の全例調査では、脳動脈瘤破裂率は1年間につき0.95%という結果になっています。
破裂のリスクの高いものとしては次のようなものがあります。

① 前交通動脈と内頸動脈後交通動脈分岐部の2か所が破裂しやすい
② 動脈瘤が7mmを超えると破裂率が上がる
③ ブレブ(たんこぶのような小さな膨らみ)があると、破裂は1.6倍に上昇する


未破裂脳動脈瘤が見つかったとしても破裂率が一般的には低く、必ずしもすぐに手術をしなければならないと言う事ではありませんが、いつ脳動脈瘤が破裂するかもといった精神的な不安を考慮した場合、手術を行う事も選択の一つとなっていくことでしょう。
治療
未破裂脳動脈瘤は、薬物療法などで消えたり、破裂率が下がったりとする事は現時点では証明されておりません。そのため、脳動脈瘤破裂の確率を下げるのには外科的な手術が必要となってきます。
手術については、頭を開頭して行う脳動脈瘤頚部クリッピング術とカテーテルにて血管内治療を行う脳動脈瘤コイル塞栓術の2種類があります。
脳動脈瘤頚部クリッピング術
全身麻酔下で開頭して、手術用の顕微鏡を用いて脳を傷つけないようにして脳動脈瘤まで到達します。続いて動脈瘤の根元を専用のクリップで挟み血液が流入しない様にする手術です。動脈瘤に対して最も普及している手術で、動脈瘤が脳表に近く小さい場合は危険性が低いものの、奥深い場所や、大きい場合には治療が困難となることもあります。
脳血管内手術(コイル塞栓・カテーテル治療)
太ももの付け根の血管から、動脈内の血管にカテーテルをいれて動脈瘤までカテーテルを進めていき、血栓化を促進する極細コイルを瘤内に詰めていく方法です。血管内治療と言われ、クリッピングの困難な奥深い場所の動脈瘤でも治療が可能ですが、動脈瘤の根元がくびれていないとうまくコイルを詰め込む事ができないこともあり、すべての動脈瘤に行えるわけではありません。
手術実績件数
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診療科目 脳神経外科
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